476『煙突屋ペロー(復元版)』


(影絵) 1930年/23分/白黒
制作:童映社 原作・脚本・演出:田中喜次 
作画:中野孝夫・田中喜次・舟木俊一 撮影:舟木俊一
1987年復元版制作協力:シネマ・ワーク、グループ・タック
プロデュース:伊藤正昭・沼田かずみ・田村潔 語り:常田富士男
トム・タム国に住む、煙突掃除人のペロー少年。彼は鷲に追われていた鳩を助け、鳩からお礼に「兵隊の出る卵」を貰う。ペローの国は外国との戦争で負けそうになるが、卵からたくさんの兵隊を生み出して国を救う。王様から沢山のご褒美をもらったペローは、田舎の母のもとに帰るが……。1930年に作られた原版の後半欠落部分を復元し、常田富士男のナレーションを入れた。

田中喜次【たなか・よしつぐ】 1907〜1982
大阪市生まれ。日活京都、帝国キネマで助監督を務めた後、童映社を設立。プロキノの協力を得て1930年、影絵アニメーション映画 『煙突屋ペロー』を制作。反戦的な内容が検閲で削除されたが、1987年に復元版が作られる。1933年からJ.O.スタヂオでアニメーションを制作。劇映画『かぐや姫』を監督する(特殊撮影は円谷英二が担当)。1937年同盟通信社に移り、長編記録映画 『曦光(シイコワン)』(1938) を手掛ける。戦後は電通映画社で映画部長に就任。記録映画やPR映画の演出を手掛けるとともに、中国から帰国した持永只仁の人形アニメーション映画にも脚本・共同演出として参加している。
[主な作品]
煙突屋ペロー (1930)/ピクニック (1931)/黒猫萬歳 (1933)/絵本一九三六年 (1934)/かぐや姫 (1935)/満州義軍 花大人 (1936)/同盟ニュース (1937〜40)/曦光 シイコワン (1938)/新大陸 (1940)/農民劇場 (1941)/セロひきのゴーシュ (1949)/鳥島のあほうどり (1953)/明日の農村、瓜子姫とあまのじゃく (1956)/綿紡績 (1957)/日本の通信機械 (1958)/明日の鉄道 (1959)/陪廬 (1960)/欧州巡航5万キロ (1964)