IMAGE RINGS vol.29 夏の残響 far away

tancho0101-02-04

第29回公式戦 夏の残響 far away


君がいた夏は はるか遠い 夢のなか
いつも独りなんやろ?今日は二人やん。

2000年11月17日(金)16:00/19:00
   11月18日(土)13:00/16:00/19:00
   11月19日(日)12:00/15:00/18:00
会場:新宿Fu- 料金:前売800円/当日1,000円
村上賢司『夏に生れる』1998/VIDEO/76分
河瀬直美『白い月』1993/16mm/55分
唯野未歩子『Sweet』1999/VIDEO/30分
(イラスト:中村景子)

■何年か前に壁に貼ったポスターがすこし黄ばんでいた。ふと、その頃聞いていた音楽や、通っていた教室の匂い、好きだった人のことを思い出す。あれは夏の日の夕暮れのこと、ぼんやりと窓の外を眺めながら、これから訪れるだろう波乱万丈な人生のストーリーを思い描いてばかりいた。
■もし日常からリアリティーがなくなってしまえば、虚構に遊ぶこともできなくなってしまう。何一つ変わらないんじゃないかという諦めにも似た思いが、一枚のポスターによって打ち砕かれる瞬間、きっと本当のドラマは生れるにちがいない。
■どこか切なくてどこか滑稽な夏の出来事をデジタルビデオで記録した村上賢司の『夏に生れる』(98年)や唯野未歩子の『Sweet』(99年)は、見慣れた日常にギリギリの虚構をすべり込ませるだけで、どれだけ面白い映画が作れるのかをボクたちに教えてくれる。河瀬直美の『白い月』(93年)は、より古典的なフォルムの美しい悲劇であり、『萌の朱雀』の原点だ。
イメージリングス・しまだゆきやす)