IMAGE RINGS vol.13 映像が奏でる音楽

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vol.13 映像が奏でる音楽


その青春、嬰ハ短調――。
人生は 悲しい 円舞曲
     Valse Triste

1997年11月14日(金)15日(土) 14:00/17:00/19:00
会場:新宿Fu- 料金:前売800円/当日1,000円
風間志織『メロデ Melodies』1989/8mm/100分
杉山正弘『Cadenza』1985/8mm/Color/23分
しまだゆきやす『ソングブック』1997/8mm/28分
●特別上映
しまだゆきやす『ケガレハライタマエ』1996
連歌―つらなるうた―』1995
(デザイン:WIZ)

■ふと足を運んだ映画館で、物語らしい物語のない映画に出会うことがある。実験映画だというのではない。明確なドラマとしての枠組みをもっていながら、登場人物がくっつくのやら離れるのやら判然としないまま過ぎてゆく不思議な味わいをした作品のことだ。
■ハッピーエンドに進めば長調で、悲しい別れなら短調という具合に、映画を音楽に例えてみれば、さしずめ調性がゆらぎ始めたドビュッシーの鍵盤楽曲みたいと言うべきか。
■それは過ぎゆく時間との戯れであるという点で、映画と音楽は似ている。微妙な音のうつろいに鋭く反応できる耳があればクラシック音楽はけっして退屈なものでないのと同様に、そのような映画もまた、言葉にならない光のうつろいを知る観客との出会いを待っている。
風間志織の『メロデ』はまるで長い時間をかけてゆっくりと旋律を奏でるかのよう。そして杉山正弘の『Cadenza』はタイトル通りに自由な独奏を僕たちの心に聴かせてくれる。
イメージリングス・しまだゆきやす)