549『北海に生きる』

 
 
1964年/38分/白黒 制作■春秋映画社 企画■貯蓄増強中央委員会
企画■榊原六郎 演出■浅野辰雄 脚本■長光太 撮影■井上莞
照明■佐藤良造 録音■安恵重遠 音楽■渡辺浦人 語り■小沢栄太郎
かってニシン漁で栄えた北海道の日本海沿岸漁村。その日の食にも困る状態から立ち上がり、よりよき生活を求めて近代漁法に励む青年たちを描く。

かつてニシン漁場として栄えた北海道の北日本沿岸漁村の実態を追う。その初山別や汐見、羽幌や増毛の四カ地だが、初めは惨たる姿だったが、貯金をしたことのない者には金は貸せない!と組合からいわれ、主婦たちは食うや食わずで十円や一円の日掛貯金に骨身をけずる(もっと具象的な表現がほしい)。が、どうにか組合からの融資にもこぎつけたとか、近代漁業化への生活再建が各地にはじまる。“手”のない誠実さと、珍しく<貯蓄>の“前面化”を買う。
(加藤松三郎/キネマ旬報 No.368・1964年6月下旬号「短篇映画」)

浅野辰雄【あさの・たつお】
No.071『東京の下町』を参照。
http://d.hatena.ne.jp/tancho/20051109/p3