しまだゆきやす映画遺産 2013年夏

tancho2013-08-09

今年もやります、しまだの盆踊り!
映画作家・プロデューサーとして活躍した
イメージリングス主宰・しまだゆきやすの作品上映会。
「4D=4つのデカダンス」と定義して、
独特のしまだワールドが味わえる4作品+αを上映。


2013年8月9日[金] 19時上映開始・21時10分終了予定
会費:1000えん(作品資料つき)
会場:日比谷図書文化館 4階会議室
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
問合せ先:短篇映画研究会(清水) 電話 080-5468-3251
http://d.hatena.ne.jp/tancho/


※上映作品紹介に、しまだウォッチャーの第一人者・
村上賢司監督(https://twitter.com/murakenkawaguti)による
【ムラケン解説】を追加しました!


◎上映作品(上映順)

「しまだゆきやすプロデュース作品 予告編集」
2003〜2010年/約10分/DV
井口昇恋する幼虫』、松江哲明童貞。をプロデュース』、藤原章『ヒミコさん』、白石晃士『オカルト』、山下敦弘『めちゃ怖』など数々の野心作をプロデュースし、また「ガンダーラ映画祭」「背徳映画祭」を開催して日本のインディペンデント映画界の活性化に一役買ったその軌跡を、予告編から振り返る。

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための映画』
1993年/8分/8mm→DV 監督■しまだゆきやす
出演■島田幸泰 器材協力■山崎幹夫 中村雅信
イメージフォーラム映像研究所在籍時に製作された初期作品。サラリーマン生活を送る自らの心象風景を描きながら、子どもの頃から大ファンだった実相寺昭雄作品の影響が色濃く反映された「ヒーロー系個人映画」。
 
【ムラケン解説】イメフォーの研究生という立場なのに、すでに山崎幹夫さんと中村雅信さんという有名映像作家を巻き込んでいることに注目です。この頃のしまださんは実験映画を明らかに勘違いしていました!そこが面白いかな?

DAPHNE ダフネ』
1993年/3分/8mm→DV 監督■しまだゆきやす
同じく、イメージフォーラム映像研究所在籍時の課題作品。伊藤高志をはじめとする先輩作家の影響がうかがえる習作だが、「ある事情」により青森県某市の知人宅まで押しかける、その並々ならぬ行動力がオソロシイ。
 
【ムラケン解説】はい、ストーカー映画です!今だと犯罪になりかねませんが、「自分を曝け出せ!」といつも講師たちに言われ続けてちょっとネジが外れてしまったのでしょうね。講評会で上映した後のなんともいえない空気感が忘れられません!

『MIDORI』
2001年/12分/8mm→DV 監督■しまだゆきやす
出演■栗林忍 しまだゆきやす
1995年に上映団体・イメージリングスを旗揚げしたしまだ。個人映画からアニメーションやAVまで、ジャンルを縦断した上映企画を精力的に行いながら、自らも映画作家として「ちょっとエッチなおとぎ話」路線を展開する。『ケーフェイ 偽の妹』(1999) などで知られる、しまだと栗林が兄妹を演じた連作の一編。
 
【ムラケン解説】しまださんはいちごちゃん(栗林忍)と仲良くしたいがために映画を作っていたのですが、そんな分かりやすい動機なのに、結果としてなんでこんな変態作品になっちゃうの?というところがおもろいところです。栗林さんは理解者でしたね。

『帝都、萌え。』
2005年/14分/DV 撮影・編集■しまだゆきやす
出演■安里麻里 田村拓
音楽■フランツ・シューベルト
ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調より第1楽章
2003年、会社員生活にピリオドを打ったしまだは、イメージリングスを拠点として映画製作と配給・宣伝の仕事に乗り出す。2005年に始まった短編オムニバス企画「背徳映画祭」、その第一回に出品した本作では、“思想的な着エロ”を標榜した彼ならではの美学が味わえる。

【ムラケン解説】大畑くん喜べ!オレたちのまりっぺのメイド服&緊縛が見れるぞ!えっ!大畑くん、今現場なの!?あ〜、もう、大畑くん!(以上私信)。

・・・・・・・・・・(休憩)・・・・・・・・・・

『ワルハラ落城』
1993年/35分/8mm→DV 監督■しまだゆきやす
出演■大河内二郎 工藤麻衣子 野本尚子 高山隆一
撮影■梅原浩二 水谷文彦 撮影協力■中里佳世 太田智丈
音楽■リヒャルト・ワグナー 楽劇「ニーベルングの指環」より
演奏■ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
協力■文化学院芸術専門学校 上智映像企画 
製作■PRODUCTION BPO
イメージフォーラム映像研究所在籍時の課題作品。ワグナーの楽劇を演出する男の葛藤を、しまだ自身の主演で映画化。作中に出てくるイラストもしまだが描いている。1970〜80年代の8ミリ自主映画にみなぎっていた「やる気」を感じる、しまだワンマンショー映画。
 
【ムラケン解説】これがイメフォーの夏課題の講評会で上映された時、爆笑に包まれて、で、しまださんはなんで笑いがおきたのか分からずポカーンとしていて、今から思えばなんと幸福な時期だったな〜と思うのであります。

『レクイエム神社』
2006年/29分/DV 撮影・編集■しまだゆきやす
出演■三坂知絵子 パク チェソン 新谷尚之
音楽■ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト
喜歌劇《セビーリャの理髪師》の主題による変奏曲 K.354
2006年夏、小泉首相(当時)の靖国参拝を巡る騒動に触発されて「僕ならこう撮る!」と構想した野心作。折からの韓流ブームも反映させて、海を越えてきた男と女のラブロマンスがあらぬ方向に展開していく、しまだ流の空想特撮ドラマ『怪奇大作戦』。

【ムラケン解説】靖国騒動のときはしまださんは活き活きしていましたね〜。なにか事件が起きるとそれに反応して作品を作ろうとするスタンスはずっと続いていました。ジャーナリストというよりは高度の野次馬という感じがよかったですね。

【しまだゆきやす 1964―2011】
映画作家・プロデューサー。1995年に自主映画上映団体・イメージリングスを旗揚げ。「映像総合格闘技」をコンセプトとして、多彩なジャンルとテーマの作品を発掘上映する。2004年には自ら製作・配給を担当した映画『恋する幼虫』(監督:井口昇)を劇場公開。以後は商業作品の製作・配給・宣伝を手掛ける一方で、自主映画のオムニバス企画「背徳映画祭」と「ガンダーラ映画祭」を主催。幅広いジャンルの作り手たちと一緒に、映画の「磁場」を作り出していく。その“超人”的な活躍ぶりから「シマダーマン」と呼ばれたように、1990年代後半以降のインディペンデント映画の活性化に少なからぬ貢献を果たす。
フィルモグラフィ http://d.hatena.ne.jp/tancho/20120812

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