005『自然界のつりあい 動物の数は何で決まるか』

1972年/24分/カラー/制作:東映教育映画部/
製作・構成:布村建/脚本・撮影:川崎龍彦
アメリカシロヒトリを材料に、卵の何%が成虫になるかを克明に
追跡・観察し、生物社会の巧妙なメカニズムを理解させる。

布村建【ぬのむら・たつる/けん】
1936年東京市世田谷區生まれ。1959年東映に入社、教育映画部で脚本・プロデューサー・演出として多数の作品を発表。『自然界のつりあい-動物の数は何できまるか-』(1972)『火山の探求』(1980/小林一夫監督)などの科学映画から『花のき村と盗人たち』(1975/矢吹公郎監督)などのアニメーション映画、『春風の子どもたち』(1982/山下秀雄監督)『春らんまん結婚記』(1987/内藤誠監督)などの劇映画、さらには大和屋竺監督の『発見への旅だち』(1974)、原将人監督の『アンサンブルのよろこび』(1981)など異色のスタッフよる作品も数多く手掛けている。現在はフリーの企画・演出として活動。 2007年『淡海に生きる〜琵琶湖』を完成させた。
◎2008年2月発売の「映画論叢18号」(樹花舎)に「極私的東映および教育映画部回想」を執筆。
http://kinohana.la.coocan.jp/ronso18.htm

006『つつが虫』

1953年/21分/白黒/制作:三井芸術プロ/
脚本・監督:太田仁吉/撮影:鈴木喜代治
つつが虫は全国から50種類以上発見され、1951年には蚊の卵に
よる飼育に成功し、子虫・若虫・親虫の生態の研究も進んだ。
薬剤の開発や土木工事で有毒危険地帯も田畑に変わる。
(※全巻傷あり)

007『阿寒湖のまりも』

1954年/15分/白黒版/制作:科学映画研究所/
脚本・監督:太田仁吉/監修:西村真琴/撮影:関口敏雄/
音楽:伊福部昭
まりもは浮き上がったり沈んだりして成長し、100〜200年生きる。
その生態の記録。10月にはアイヌのまりも祭の儀式が古くからの
歌と共に行われる。太田仁吉の遺作。(※全巻傷多数あり)

太田仁吉【おおた・にきち】
1893年北海道札幌郡豊平村生まれ。札幌師範学校卒業後、小学校教諭となる。これからの理科教育は視覚に訴えるべきとの考えから1932年に理科教材映画『かえる』を自主制作。1934年十字屋楽器店に入り映画部を創設、「理科映画大系」シリーズを制作し、日本で最初に科学映画を根づかせた。戦時統合で日本映画社に移籍し1950年まで在籍。科学映画研究所を創設するが病のため1954年逝去。
主な作品:かえる(1932)石油の話(1934)塩の話(1935)蝉の一生(1936)人体の組立(1937)花と昆虫(1938)結晶の科学(1939)活魚列車(1940)食用蛙(1941)山西の土地と民(1942)拓けゆくボルネオ(1943)集魚灯(1944)魚の愛情(原案/1947)卵は語る(1948)あげはちょう(1949)いねの一生(1950)つつが虫(1952)蚕(1953)日本の稲作(1954)いもち(1958)

伊福部昭の映画音楽

伊福部昭の映画音楽

008『猫の散歩』

(※写真)1962年/30分/白黒/制作:桜映画社/企画:中外製薬
監督:大橋秀夫/監修:山本嘉次郎/脚本:岡野薫子/
撮影:安承[王文](アン・スンミン)/音響:大野松雄/猫:高橋和枝
吾輩は猫である。空地も川もゴミでいっぱい。ネズミが天井で
走り回る下で人間様は平気で食事をしている。ハエ、ゴキブリ、
ネズミ、ダニ、それに夜になると蚊−人間の家なんて害虫どもの
共同アパートみたいなものだ」…野良猫から見た人間と害虫ども
の真夏の騒動を風刺的タッチで描き出している。

『猫の散歩』DVD発売中

大橋秀夫【おおはし・ひでお】
1930年東京生まれ。フリーでテレビ映画、CM、PR映画、成人映画などを手掛ける。1996年逝去。
主な作品:鉄腕アトム(フジテレビ/1959)ガス炊飯器(1961)猫の散歩(1962)情怨の渦(1964)冷泡の詩(1974)

科学映画にかけた夢

科学映画にかけた夢


オカダさんの感想(2月9日)はこちら!
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