しまだゆきやす映画遺産 2014年夏

tancho2014-08-08

夏が来れば思い出す、しまだワールド!
映画作家・プロデューサーとして活躍した
イメージリングス主宰・しまだゆきやすの作品上映会。
「妄想する作家」として観客を震撼させた3作に加え、
「暗躍する煽動者」として関わった2作を特別上映。
【妄想!暗躍!!しまだゆきやす!!!】
2014年8月8日[金]19時上映開始・21時10分終了予定
会費:1000えん(作品資料つき)
会場:日比谷図書文化館 4階 スタジオプラス
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
問合せ先:短篇映画研究会(清水)電話 080-5468-3251
http://d.hatena.ne.jp/tancho/

※上映作品紹介に、しまだウォッチャーの第一人者・
村上賢司監督(https://twitter.com/murakenkawaguti)による
【ムラケン解説】を追加しました!


◎上映作品(上映順)

『Kazuko:輪舞曲(ロンド)』
1992年/12分/8mm→DV 出演■しまだゆきやす
故郷の大阪を離れ、東京でサラリーマン生活を始めたしまだ。しかし映画への夢を諦めきれず、イメージフォーラム付属映像研究所に入る。ここで個人映画・実験映画のパイオニアたちの薫陶を受け、作品に「自分を出す」ことを模索した時代の作品。自身の片想いを壮大な演出で描き、観客を確実に「置いてきぼり」にするのが魅力。
 

【ムラケン解説】『Kazuko:輪舞曲(ロンド)』はスートーカー映画です(こればっかですが…)。椎名桜子がご自身で監督した『家族輪舞曲』をいたく気に入ったしまださんはその題名を勝手にパクってしまいましたが、中身はあんまり関係ないです。

『ソングブック』
1997年/19分/8mm→DV 出演■しまだゆきやす 熊谷芙紗子
1995年に【イメージリングス】を旗揚げしたしまだ。「ひとの作品を上映すれば、自分の作品も見てもらえる」と語ったように、定期上映会は自作発表の場でもあった。風間志織の『メロデ』、杉山正弘の『Cadenza』と一緒に上映された『ソングブック』は、音楽教材を売り歩く男と女子高生との交流を描いた、乙女ちっくなリビドー巨篇。
 
 
【ムラケン解説】「よ〜し、しまだくんがどんなエロい映画作ったか観てやるぞ〜」とニヤニヤしながら会場に入った平野勝之さんが見終えた後に「これはヤバい!本物だ!」としばし呆然となった超問題作です。

『効かない媚薬』
2001年/17分/DV 出演■松山由維子 なにわ天閣 しまだゆきやす
2000年代初頭までは、8ミリフィルムの特性を生かした味わい深い映像がしまだ作品の特徴でもあった。失踪した科学者の遺した伝言と、彼が誘拐した女性のモノローグで綴られたこの作品は、「廃屋・美女・ロープ」というしまだ好みのアイテムが揃った逸品。幼少時から大ファンだった実相寺昭雄を彷彿とさせるアングルも見どころ。
 
 
【ムラケン解説】すみません、10回は観ているはずですが、覚えていません。まあ本物のむっつりスケベが作った映画だと思って観れば大丈夫です!しまださんは実相寺さんが大好きでしたが、会ったときは映画ではなくてほぼ音楽談義だけでしたよ。

アブダクション
2010年/30分/DVD プレゼンター■村上賢司
プロデューサー■山本正 しまだゆきやす
製作■クリエイティブアクザ 上映協力■マクザム
恋する幼虫』(2004/井口昇監督)を自主製作した後、しまだは複数のDVDメーカーと組んで15本の長編作品をプロデュースした。2010年制作の「パラノーマル・フェノミナン」は、白石晃士村上賢司古澤健がプレゼンターとなり“投稿された心霊映像”を紹介するシリーズ。『アブダクション』は、ある映画作家へのオマージュに満ちた一編。
 
 
【ムラケン解説】設定はもういいです!もういくらんでもぶっちゃけます!しまだゆきやす脚本、村上監督でねつ造した、「タモリ倶楽部」で一躍ブレイクしたあの登山映像作家・吉野和彦さんにオマージュを捧げた(またはパクった)ホラー映像『アブダクション』が上映されます!
吉野和彦さんについては、まずはこちらをご参照ください。
タモリ倶楽部 神回 動画】山岳ガイド 自分撮り映画監督 吉野和彦(体ちゃんねる)
http://karada-ch.doorblog.jp/archives/36551465.html


▽吉野和彦さんの作品。吉野さんが「山岳自分撮りのパイオニア」と尊敬されている立石恵一氏の作品もご覧になれます。

『セレモニー・ヴィレッジ(仮題)』
2006年/36分/DVD 構成・演出■松江哲明
リポーター■真利子哲也 撮影■小川和彦
2005年「背徳映画祭」、2006年に「ガンダーラ映画祭」をスタートさせ、多様なジャンルの作家との交流を広げていったしまだ。快作『童貞。をプロデュース』発表直後の松江哲明が手掛けたこの短編には、心霊映像の投稿者として「沢田幸夫」と名乗る人物が登場。西新宿に集まった人々が“どこかにあるユートピア”を目指して旅立つ。
 
 
【松江監督による解説】『童貞。をプロデュース』硬式BLOG(2007年8月)
http://virginwildsides.blog111.fc2.com/blog-entry-17.html

しまだゆきやす 1964—2011 映画作家・プロデューサー。1995年に自主映画上映団体・イメージリングスを旗揚げ。「映像総合格闘技」をコンセプトとして、多彩なジャンルとテーマの作品を発掘上映する。2004年には自ら製作・配給を担当した映画『恋する幼虫』(監督:井口昇)を劇場公開。以後は商業作品の製作・配給・宣伝を手掛ける一方で、自主映画のオムニバス企画「背徳映画祭」と「ガンダーラ映画祭」を主催。幅広いジャンルの作り手たちと一緒に、映画の「磁場」を作り出していく。その“超人”的な活躍ぶりから「シマダーマン」と呼ばれたように、1990年代後半以降のインディペンデント映画の活性化に少なからぬ貢献を果たす。
フィルモグラフィ http://d.hatena.ne.jp/tancho/20120812

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