272『野を越え山を越え』

1955年/23分/白黒 制作:岩波映画製作所 企画:東京電力
監督:柳澤壽男 脚本:岩佐氏寿 撮影:藤瀬季彦
「私は冬になるとお父さんと離れて暮します。それは雪で発電所
とざされてしまうからです。私のお父さんは班長です。冬には水の
取水口につく厚い氷を割ったり、水の不足を心配します」…
山の発電所の送電線を守る父親の仕事を、少女の視点から四季を
織りまぜて劇映画風に描く。

柳澤壽男【やなぎさわ・ひさお】
1916年群馬県玉村町生まれ。松竹下加茂撮影所に入社し犬塚稔、溝口健二らの助監督を務める。劇映画『安来ばやし』(1940)を監督した後、日本映画社に映り記録映画の世界へ。戦後フリーとなってPR短編を多数手掛けるが、スポンサード映画を撮ることに疑問を持ち、自主製作の道を模索する。1968年、重度心身障害児療育を記録した長編『夜明け前の子供たち』を完成させ、以後も障害児の記録映画を撮り続ける。1999年逝去。
主な作品:安来ばやし(1940)炭坑(1947)富士山頂観測所(1948)海に生きる-遠洋底曳漁船の記録-(1949)都会の裏顔(1950)私たちの新聞(1951)わがふるさとの町(1952)新風土記-北陸-(1953)ビール誕生(1954)野を越え山を越え(1955)Toyobo 東洋紡(1956)新東京火力発電所(1957)どこかで春が(1958)漁網(1959)小さな町の小さな物語(1960)ぷらすちっく(1961)ロダン(1962)東レ・パイレン(1963)経営と企業年金(1964)ガスマン(1966)夜明け前の子供たち(1968)ぼくのなかの夜と朝(1971)甘えることは許されない(1975)そっちやない、こっちや-コミュニティ・ケアへの道-(1982)風とゆききし(1989)
『小さな町の小さな物語』(1960)収録↓

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上映協力◎東京都立日比谷図書館