032『ふるさとに生きる母たち』 

1975年/31分/カラー/制作:桜映画社/
企画:貯蓄増強中央委員会/プロデューサー:村山英治村山和雄
原案:村山和雄・福間順子/脚本・監督:金子精吾/
撮影:江連高元/音楽:広瀬量平/照明:本橋俊男/
編集:沼崎梅子/演出助手:森園忠・小川伸浩/解説:久米明
冬は老人と子供を残して全村出稼ぎに出かけていた
秋田県の山村の母たちが、子供と暮らす決意をし、
共同で肉牛を飼う「母親牧場」を設立するという、
厳しい道を歩みはじめた記録。出稼ぎは手っ取り早
い金銭獲得法ではあったが子供たちにも地域社会に
も荒廃をもたらした。再び地域社会の再建に乗り出
した人々の歩みは、単に山村の問題ではなく、高度
経済成長の波に押し流された日本の社会に生きる
人々の生活に大きな問題を投げかけている。

金子精吾【かねこ・せいご】
1919年横浜市生まれ。銀行勤務の後に新協劇団研究生となり、劇団解散に伴い1940年日活に入社、多摩川撮影所演技部に所属。戦後松竹大船で助監督となり、吉村公三郎に師事。レッド・パージで退社後は独立プロで今井正家城巳代治らにつき、1958年『道産子』を初監督。以後フリーで桜映画社、英映画社、学研などで記録映画および劇映画を手掛ける。また、NHKの「テレビ指定席」(1961〜1966)でも多くのテレビ映画を演出する。
[主な作品] 1956:こぶしの花の咲くころ(脚本) 1958:道産子 1959:たくましき母親たち、おやじの日曜日 1960:手工芸品―その日本美― 1961:海を渡る人々(NHK) 1962:とも子そんした(NHK) 1963:ある結婚(NHK) 1964:鍵ッ子(NHK) 1965:焼き子の唄(NHK) 1966:わが一高時代の犯罪(NHK)、青年 1967:父親が涙をうかべてほめるとき 1968:家族のこころ 1969:東京女子医科大学 1970:道ひとすじに―若き日の吉岡弥生― 1971:三代の嫁たち 1972:蒸気機関車―その百年― 1973:家庭にユーモアを 1974:出会いの日日 1975:ふるさとに生きる母たち 1976:手をつなぐ仲間―ある奉仕活動の記録― 1977:まちをつくる農民たち


■『おやじの日曜日』収録