vol.44 第4回 背徳映画祭

tancho0101-02-26

vol.44 イメージリングス 第4回 背徳映画祭
平成二十年のヰタ・セクスアリス


人それぞれに性的生活がある――
ケン・ラッセル大島渚に捧げる映画祭!


丁度好いから、一つおれの性欲の歴史を書いて見ようかしらん。
実はおれもまだ自分の性欲が、どう萌芽してどう発展したか、
つくづく考えて見たことがない。一つ考えて書いて見ようかしらん。
白い上に黒く、はっきり書いて見たら、自分が自分でわかるだらう。
そうしたら或は自分の性欲的生活がnormalだかanomalousだか
分かるかも知れない。――森鷗外ヰタ・セクスアリス』より

2008年10月16日(木)〜19日(日)・10月23日(木)〜26日(日)
会場:下北沢 LA CAMERA 料金:1,000円(各回入替制)
2008年12月6日(土)〜19日(金)
会場:大阪 PLANET


▼Aプロ
前田弘二『先輩の女』2008/DV/30分
亜真里男/Mario A.『F THE GEISHA(short version)』2008/DV/30分
吉行由実『空恋〜切リナイ恋物語〜』
浦井崇『愛の座礁』2008/DV/8分
しまだゆきやす『フェリーニの京都』2008/DV/33分
▼Bプロ
大木裕之『LAST CITY(背徳バージョン)』2008/DV/20分
いまおかしんじヘルシンキの濡れた砂』2008/DV/20分
枡野浩一『バイバイと鳴く動物がアフリカの砂漠で昨夜発見された』2008/DV/24分
西山洋市『吸血鬼ハンターの逆襲』2008/DV/20分
▼Cプロ(特別招待作品)
カンパニー松尾『YOGA(劇場バージョン)』2008/DV/80分

ガンダーラ映画祭」と並ぶイメージリングスの名物企画「背徳映画祭」も今年でいよいよ4回目を迎える。4回目だからといって取り立てて変わったことをするわけではない。いつも通りの「背徳映画祭」である。ただ今回は、大上段に振りかざすほどでもないけれど〈平成二十年のヰタ・セクスアリス〉というサブタイトルをつけてみることにした。もちろん、明治の文豪にあやかってのことである。それでどうなるというものではない。参加する映画作家たちは主催者の思惑など歯牙にもかけず、いつも通りの映像を撮るだろう。この思わせぶりな看板はひとえに、会場へと足を運んでいただく観客の皆様が、奔放かつ赤裸々な表現を目の前に途方に暮れてしまわないよう老婆心で掲げるのである。つくづく映画とは背徳なものである。
(背徳映画祭プロデューサー・しまだゆきやす)


イラスト:亜真里男/Mario A.