IMAGE RINGS vol.18 アシッド哲学

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vol.18 アシッド哲学


眼球と鼓膜を揺さぶる喜怒哀楽
性感帯を浸食する深遠な謎かけ
瞬間と永遠にわたる肉体的苦行
そして脳に傷痕の残る生き方……

1998年9月18日(金)19日(土)20日(日) 13:00/17:00
会場:新宿Fu- 料金:前売800円/当日1,000円
伊藤高志『ギ・装置M』1996/16mm/6分
中村雅信『記念写真』1978/16mm/3分
村山夕香子&吉留恵美『平らな肉』1992/16mm/17分
帯谷有理『厭世フフ』1998/VIDEO/150分
(デザイン:WIZ)

■『毛髪歌劇』(92)や『台湾少年』(94)等の8ミリ作品で知られる帯谷有理の最新作『厭世フフ』(98)には、<幻覚が持続する間に見た現実逃避のお話>という注釈が付されている。自動車泥棒を働く在日朝鮮人と道楽者の右翼青年2人を主人公に据えたこのビデオドラマはしかし、現実逃避というにはあまりに生々しい死やSEXや民族差別や戦争犯罪といったモチーフをズルズルと引きずりながら、150分もの間アシッドな幻覚体験をボクたちに味わせてくれるのだ。
■「幻覚を視るための装置」といえば、映像作家・伊藤高志の名を出さないわけにはいかない。森村泰昌とのコラボレーションによる『ギ・装置M』(96)は目下のところの最新作である。また作風は異なるものの中村雅信は、日本実験映画史に名を残す和製バルテュスともいうべき幻視者だ。
■そして当時多摩美大に通う女生徒2人が共同監督した『平らな肉』(92)も女性ならではのエロティックな幻想を描いた意欲作である。
イメージリングス・しまだゆきやす)